Outlook for Windows(Outlook new)でのPOP接続利用について
Microsoft社が提供する「新しいOutlook for Windows(Outlook new)」は、従来のデスクトップ版Outlookに代わる新しいアプリとして登場しました。デザインや操作性が一新され、クラウドとの連携やセキュリティ機能も強化されており、今後は利用の中心になっていくと考えられます。
しかし実際には、POP接続でメールアカウントを設定している場合に注意が必要です。新しいOutlookでは、サーバー側でメールを受信しているにもかかわらず、アプリ側に受信メールが届かないという事象が確認されています。従来のOutlookでは問題なく使えていたアカウントでも、新しいOutlookに切り替えた途端にこの不具合が起きるケースがあり、業務や日常の利用に支障をきたす恐れがあります。
こうしたリスクを避けるためには、いくつかの対策が考えられます。もっとも安定した方法は、POPからIMAPへ切り替えることです。IMAPを利用すれば、メールをサーバー上に残したまま扱えるため、複数の端末で同じメールを共有でき、急な受信トラブルにも強くなります。
一方で、「どうしてもPOPを使いたい」「今の環境を大きく変えたくない」という方もいるかもしれません。その場合は、新しいOutlookにこだわらず、別のメールソフトを選ぶのも有効な方法です。例えば、Mozillaが提供する無料ソフト「Thunderbird」は今もPOP接続に対応しており、安定して利用できます。また、従来のデスクトップ版Outlook(いわゆるクラシック版Outlook)を使い続ける方法もあり、こちらもPOPを利用する環境に適しています。
いずれにしても、現在POPで運用している方は「突然メールが届かなくなる」というリスクを抱えていることに変わりはありません。トラブルを未然に防ぐためには、早めにIMAPへ切り替えるか、あるいはThunderbirdや従来版Outlookといった他のソフトに移行しておくことを強くおすすめします。過去のメールはエクスポートやバックアップを行ってから移行すれば、安心して使い続けることができます。
新しいOutlookを使い続けるにしても、別のソフトに切り替えるにしても、大切なのは「安定してメールを受信できる環境を整えておくこと」です。利用目的や環境に合わせて、最適な方法を早めに選択しておくことをおすすめします。
※新しいOutlookについては、Microsoft側で今後も不定期に仕様が変更される場合があります。常に最新の公式情報を確認しながら運用することが安心につながります。